「おはようございますー! プロデューサー」

おっ、テンションは最高のようだな! 俺も最高の挨拶で返さなければ――

 1 ふぁ・・・おはよう・・・
 2 おはよっ、雪歩っ。
 3 おはよー! 雪歩ー!
 4 休みをとる

 ちなみにこのゲーム、選択肢の回答時間は基本5秒だ。5秒とはいえ、選択肢の内容を読むのに2秒はかかる。実質考えている時間など無い。焦って微妙な選択肢を選ぶ事も多々ある。無論、私の事だ。上のような場合だったら、

 「ふぁ・・・おはよう・・・」
 「だ、大丈夫ですか? どこか具合が悪いとか・・・きゅ、救急車を呼んだほうが良いですか?」

みたいな感じ? 最悪である。

 (機嫌を損ねたかな・・・? でもまだ活動に支障は無さそうだ)
 (ええっと、他には――)
 「調子はどうだい?」
 「もう絶好調ですよ! 駅の階段を2段飛ばしで駆け上れる気がします!」
 「その程度で絶好調とは片腹痛い。3段くらい余裕で飛ばせるようにならねば、ハンター試験には受からないぞ?」 
 「はい! 立派なハンターを目指して、頑張ります!」

さて、今日のメニューは――

 1 オーディション(ちなみにオンライン対戦。6人中上位3名が合格となる。)
 2 レッスン

 「今日はオーディション受けてみるか! 気合入れていこう!」
 「ハンターのですか?」
 「ハンター? 何を言ってるんだ雪歩」
 「え、だってプロデューサー、さっき・・・」
 
――そして30分後、オーディション会場に到着。

 「全員揃いましたか? では参加者の確認を行います」
 「次に参加者を代表して?番さん、何かコメントをお願いします」

?番とは、私の雪歩の事である。雪歩、ここはこう言っておくんだ――

 1 私をしっかり見て下さい!
 2 合格してみせます!
 3 一生懸命、頑張ります!

何度でも言うが、5秒である。しかし何とも微妙な選択肢だ・・・私は少し悩んだ後、3番を選ぶ事にした。

 「一生懸命、頑張ります!」
 「・・・本番では期待していますよ」
 「は、はいぃ・・」

ああ、テンションが下がってしまった。下がらせた原因は私にあるのだが。

 「では、オーディション会場に移動いたします!」

俺に出来るのは応援する事だけだ!

 1 絶対勝てるぞ!
 2 他に負けるな!
 3 とにかく頑張れ

5秒はあっという間に過ぎる。あと2秒、1

 「とにかく頑張れ」
 「そんなコト言われても・・・どう頑張ったら良いんですかぁ・・・?」
 「ああ、もうオーディション始まっちゃう! プロデューサー、行ってきます!」

 今日は厄日なのだろうか? 全ての選択肢をミスってる気がするのだが・・・いや、実際ミスっているのだが。結局オーディションは3位ギリギリ入賞。危ない危ない。だがこれでファン人数は大幅アップ。ざっと3万人増加だ。よくやった、私。じゃあ最後にファンからのプレゼントを確認してもう帰るか。
 
『今日はプレゼントが届いていません』

 ひどい。 

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