ラストコール

「これが今のデッキだ」
　私は誇らしげに5枚のカードを彼に投げかけた。
　彼は暫く私のデッキを見た後、
「まず馬超を趙雲に換えろよ」
　と言ってきたのである。
　君の好みを押し付けないで欲しいのだが・・・。
「あ、これ忠義桃園デッキか」
「黄月英が回復計略だからね」
「趙累に換えれば？　俺この黄月英嫌いなんだよ」
　だから貴様の好みなど訊いてない。
　一応我慢して言ってみる。
「でも攻城兵だぜ。なかなかロマン溢れ」
「えーでも攻城兵って攻城しかやる事無くない？」
「攻城すりゃ良いじゃん」
「でも遅いし」
　じゃあ速軍の法でも何でも使えば良いだろうが！
　文句ばっかり付けやがって・・・潰すぞ。
「そんで後は魏延と関銀を何かに換えれば結構強いんじゃない？」
　“関銀を換える”か・・・・・・。　
　ようやく分かった。こいつ何も分かってないな。
　超絶強化・超絶号令が揃ってて関銀を別のに換える？
　・・・何に換えろと？
「とりあえず攻城兵は止めとけよ。これと言った能力もないし」
　頭が痛くなってきたよ、私は。
　一瞬、目の前に居る人間を愚かと思ったがすぐに取り消した。
　コレに相談した私が愚かだったのだと。

　
　――攻城兵（ドリル）は男のロマンなんです！　大体、城門こじ開けてから12秒位で死ぬのかな？　恐らく凄い激痛に違いないw

「これで決める！　城門にカードを伏せ、俺のドリル、エンドだぜ・・・！」